句読点で自動変換
句読点(「。」「、」)で自動変換するというのは、かなを入力後に句読点を打つと、その後自動的に「変換」することです。
句読点を打った後に「変換」が正しいか確認することになりますが、「変換」キー(多くの場合、「スペース」キー)を押す回数を減らすことができます。
どのIMEでも「句読点で自動変換」できるように設定することができるようです。
私も以前は「句読点で自動変換」にしていましたが、今は下の「句読点で確定」にしています。
句読点で確定
句読点(「。」「、」)で確定するというのは、かなを入力後に句読点を打つと、その時点でそのまま「確定」されるようになる設定のことです。
Facebookの親指シフトグループで、Nさんから教えていただきまして、今では私はこの「句読点で確定」で日本語を入力しています。
この設定をサポートしているIMEはなく、おそらく、「DvorakJ親指シフトインストーラー」と「やまぶき/やまぶきR親指シフトインストーラー」だけで設定可能ではないかと思います。いや、linux用のibus-anthyではこの設定が入っているものがあるかも(私がコードを提案しました)。
追記:「昔のOASYSワープロではこの機能があったようです」と書きましたが、コメントでこうすけさんから教えていただいたように少し違うものだったようです。
追記:linuxで使うoyainputでも可能です。方法をこちらに書きました。
利点
最初に知ったときには、「何でこんな変な設定にするのだろう!?」と思いましたが、この設定には以下のような利点があります。
●確定操作・部分確定操作が必要なくなる
EnterキーまたはCtrl+Mで確定操作、↓キーまたはCtrl+Nキーで部分確定操作をしている方は多いかと思いますが、このような操作の数が激減します。
●句読点単独の場合、ひらがな+句読点の場合には、操作回数が特に減る。
したがって、文章を推敲するのが楽になります。
●句読点を打つときにはそれまでの文が完成している
これが意外といいのです(笑)。句読点を打った後に変換が正しいか確認するのではなく、その前に確認して、最後に句読点を打つことになります。
デメリット
●DvorakJ・やまぶき/やまぶきRが動いている必要がある
●下記のようにIMEやアプリでも設定をしなければなりません
●句読点を打つ前に、それまでの文が完成している必要がある
句読点を打つ前に、それまでの文の変換誤りなどが修正されている必要があるということです。
最近のIMEでは、変換誤りが少なくなっていますので、昔ほどは修正する必要はありませんが。
●未確定状態に戻すのが少し手間
確定した後に未確定状態に戻そうとして、Ctrl+BackSpaceのような操作(未確定状態に戻す)をしても「句読点」しか未確定状態に戻らなくなります。その場合、再変換したい箇所を選択して「再変換(別途キー割り当てが必要)」操作をすることになります。
●マイナーすぎる
設定方法
DvorakJ親指シフトインストーラーの「かんたん設定」では「句読点設定」のところで指定します。
(DvorakJ親指シフトインストーラーの「かんたん設定」)
「やまぶき/やまぶきR親指シフトインストーラー」では、配列定義ファイルとして、ファイル名に「-確定」が含まれているファイルを指定します。
このほか、下記のように、「IMEでの設定」と「アプリでの設定」が必要です。
どうやって実現しているのか?
配列定義ファイルを見ればわかるのですが、句読点を出力した後に、Ctrl+Mを出力して全確定させるようにしています。
逆に言うと、IMEにて、Ctrl+Mが「全確定」に割り当てられていないとうまく確定してくれません。
また、アプリにて、Ctrl+Mが何かの機能に割り当てられていると、余計な動作をしてしまうことになります。
IMEでの設定
Ctrl+Mが「全確定」に割り当てられていなければ、割り当てる必要があります。MS-IMEやATOKでは、そのように割り当てられているはずです。
アプリでの設定
ワープロソフトやテキストエディタのようなアプリにて、Ctrl+Mが何かの機能に割り当てられていると、余計な動作をしてしまうことになります。
したがって、このような機能割り当ては無効にします。
例えば、Microsoft Wordでは、デフォルトで、Ctrl+Mが「インデント」に設定されています。Word 2016では、Alt+F,Tで「オプション」を出して、「リボンのユーザー設定」、ショートカットキー:「ユーザー設定」にてこの割り当てを削除するように設定します。
Macでも使えます!
Macでも問題なく使えます。Lacailleで設定する方法を「Macで親指シフト」のページに記載しました。
ぜひお試しを!
DvorakJ・やまぶき/やまぶきRをお使いの方はぜひ試してみて、下のコメントに感想を書いていただけるとうれしいです。
コメント
昔のOASYSワープロにあったのは「句読点で確定」ではなく、「(句読点を含む)全角記号の直接確定(単独で打鍵するとただちに確定する)」機能だと思います。Japanistも設定で同じ機能が選べます。
この機能の場合、「つぎに」と打った後で「、」を打鍵しても確定しません。「次に、」に変換したり「つぎに、」に戻したりできます。一方、「つぎに」を「次に」に変換した後で「、」を打つと、「次に」を確定させると同時に「、」自身も確定します。
ちなみに全角記号だけでなく全角英字や全角カタカナなども直接確定します。
わかりやすい貴重な情報をありがとうございます。
OASYSの機能とは違うものとのことで訂正・追記しておきます。
Japanistだけではこの機能を実現できなかったので、OASYSでも同じなのかなと思っていました。
そうすると、Nさん(と私)のオリジナル(?)かもしれませんね。
「Enterキー」で確定することが減るし、「、」だけを打つときなどに気持ちがいいので、私は便利に使っています。
しかし、Nさんと私以外に使っているということを聞いたことがないので、「使っている」という方がいればコメントをくださると幸いです。
> Japanistだけではこの機能を実現できなかったので、OASYSでも同じなのかなと思っていました。
Japanistは設定次第でOASYSと同じにできるはずです。
OASYSでは仮名を打った後で「変換」か「無変換」を押して漢字にするか仮名のままかを選ぶのが原則なので、「全角記号の直接確定」の方が合理的なのでしょう。つまり「つぎに」→「無変換」→「、」という流れです。これに対してDvorakJでは、「無変換」を押しにくいキーボードで使うケースも考慮して「句読点で確定」機能になったのかなと思います。
でも、句読点だけでなく「?」「!」「」」などでも確定しないと、動作が不統一になるのではないでしょうか。
ありがとうございます。
DvorakJややまぶき/やまぶきRで「句読点で確定」の設定にした場合、「?」「!」「」」「\」「・」などでも確定されます。
Shiftを押して出す場合は確定しないようになっています。
失礼しました。私の環境(アクセスで購入した親指シフトのノートパソコンFMV-S8390+DvorakJ 親指シフトインストーラー Ver.1.57+Microsoft IME)では、親指シフトキーを押して出す「?」「!」「」」などでは確定しなかったものですから。特殊な環境なのでそのせいかもしれませんね。
ついでですが、OASYSないしJapanistでは、改行キーを押すと未確定文字列を確定させると同時に改行もされます(「確定時の機能キーを有効とする」機能)。確定という作業が不要になるので、「全角記号の直接確定」と並んで、とても重宝している機能です。
ちなみに、DvorakJは使っていませんが、Linux上でAnthyは使わせていただいています。でもAnthyの「句読点で確定」機能にはバグがあって、「、」「。」で確定する代わりに「ね」「ほ」で確定してしまいます。ちょっと使い物になりません。
もしAnthyに「全角記号の直接確定」と「確定時の機能キーを有効とする」機能があれば最高なのにな、とずっと思っています。
> 「?」「!」「」」などでは確定しなかったものです
もしかしたらC:\Prog\DvorakJ\dataにある配列ファイルで「^m」の追記を忘れたかもしれません。
また、IMEでCtrl+Mで「全確定」を割り当てていなければ確定させられません(Japanistなど)。
> OASYSないしJapanistでは、改行キーを押すと未確定文字列を確定させると同時に改行もされます
これは貴重な情報ですね。DvorakJで実現できなくはないと思います。
> Anthyの「句読点で確定」機能にはバグがあって
すいません。私がコードを提案したので私の責任もあります。一通りコードを理解したのでまた見ればすぐに修正箇所がわかるとは思います。ただ、そもそもAnthyを発展させることよりもOyaMozcみたいにMozcに親指シフトを実装したいところですね。
私も「句読点で確定」設定で親指シフトキーボードを使用しています。
便利なものには勝てない、と句読点確定していますよ。
次は、敷居の高い「拗音設定」かな。
教えていただいてありがとうございます。便利と書いていただいてとてもうれしいです。
「再変換ができないことが多い
確定した後に未確定状態に戻そうとして、Ctrl+BackSpaceのような操作をしてもできないことが多いです。句読点だけしか未確定状態に戻らなくなります。」と書いていらっしゃいますが、確定した文字を選択(ハイライト)し、スペースキーではなく変換キーを押せば変換しなおせますよ。USキーボードでは無理ですが、親指シフトキーボードや普通のJISキーボードなら使えると思います。
ありがとうございます!!たしかに「再変換」を割り当てれば問題ないですね。私も設定してみたらできました。
さっそく本文の方も「未確定状態に戻すのが少し手間」というように変更いたしました。
句点での確定と自動変換、どちらも捨てがたく、何度も切り替えては迷っていましたが、ついに?どちらも使えるように設定できました!
自動変換用の句点(。)と、確定用の句点(。)を別々のキーに割当てただけですが、どなたかの役に立つかも…。
たしかに自動変換用の句点(。)と、確定用の句点(。)を別々のキーに割り当てると、句点での確定と自動変換を両方とも行うことができますね。
さっそくZキー(.)を自動変換用の句点(。)、Pキー(,)を自動変換用の読点(、)に割り当てて使ってみます。
そして、後日、投稿としてまとめ、おそらく「やまぶきR親指シフトインストーラー」などの定義ファイルも更新しておきます。
貴重な情報をありがとうございました。